その他の悪霊

最近読んで面白かった本 愛その他の悪霊について / G・ガルシア=マルケス 侯爵家の令嬢として生まれながらも親からの愛情を受けることなく育ち、屋敷の外で黒人奴隷達と共に暮らしていたシエルバ・マリアは12歳の誕生日に狂犬病に罹った野良犬に噛まれてしま…

神田

4月。いきなり20℃を超える暑さになったかと思えばすぐにまた肌寒く強い風が吹く日もあって、相変わらず気候に翻弄される毎日。外を出歩けばTシャツ一枚の人もいて厚手のオーバーコートの人もいて、この季節何を着て出ればよいものか非常に判断に困る。我々は…

3月

午前休して病院に行く。 元々貧血気味で採血が非常に苦手だ。病院出てからしんどくなってたら世話無い。 平日の午前中だというのに人人人でごった返す病院近くの繁華街。行き交う人を躱して歩く、急ぎ足では汗ばむほどの春の陽気。照り返し、多い体温。ふら…

博物

博物蒐集家の応接間に行ってきた。 書店の8階、イベントスペースに所狭しと陳列された用途不明の器具や怪しげなオブジェに非常に胸が高鳴った。まるで稲垣足穂の短編の世界に足を踏み入れたような感覚。薄明りと埃の匂い。 購入したいものは山ほどあったのだ…

日々の泡

早春は三寒四温とはいうが、いくらなんでもな近頃の寒暖差。気候は連続性を失い、霧深い日々の中腹で彷徨った挙句に座り込んでしまった。連日の雨と強風で、一晩過ぎればもう自分の足跡さえ確認出来ない今日この頃。行く宛と帰り道。どちらを探して歩いてい…

0216

先月読んで面白かった本 ・図書館島 ソフィア・サマタ― 「わたしの物語を書いて」と死せる天使は言った。 文字を持たぬ辺境に生まれた青年は、世界中の書物を収めた島に幽閉される。 帯に書かれた概要だけで既に面白い。青年が文字を知り書物を知り記すこと…

0212

二月も中旬。 年が明けてからのこの一か月と少し、珍しく身の回りで色々あって思うこともそれなりにあって、そういったあれやこれやを書き留めておいて後々しっかり整理しようと、そう考えていたはずなのに、ある程度時間が経ってしまえばなんだか全部どうで…

2018

職場にと買って帰ってきたお土産を、鞄の中で一週間眠らせたまま、持って帰って家で一人で食べている。 一月ももう中盤。新年の気分なんてとっくに失われてしまったけれど、まだまだ寒さはこれからで、空気がどんどん透明になっていって、じりじりと真空に近…

1224

奇跡的な寒さ。 この間ようやく秋が来たと思ったらもはやすっかり冬で、だからどうというわけでもなく、続ける言葉も何もなく、粛々と受け入れるばかりの日々、貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。(時候の挨拶) 久しぶりに日記を書こうと思い立った…

1204

電車で本を読んでいたら見慣れないカタカナ語が出てきて、ポケットからスマートフォンを取り出して検索してみるとwikipediaに飛ぶまでもなく検索結果1ページ目でそれが海外の地名であることや、その地の天気や時間、催される主なコンサートの予定までが分か…

1105

秋のみぎり。空は深く濁っていてその昔、混ざりきれなかった絵具とか溶かしきれずに崩れて沈んだ砂糖のような言葉とかきっと様々な情景が思い出されます。 渡世の寒さに塞ぎ込み、殻に閉じこもりきりだったこの数週。ここにきて痛切に切実に運動の必要性を感…

1025

死にながら朝起きて死にながら満員電車して死にながら働いて死にながら満員電車して死にながら日記を書いている。死にながらなのに偉い。 別に週六勤務でも毎日残業でもいいんだが毎度「そんな掛からないと思うけどあとよろしく」みたいに予め費やす時間や労…

1009

十月。遂にようやく肉体性に支配された夏が終わり、人も街もすっかり秋めいて、何でもかんでも煌めいて謎めいて見えるあんばい。 夜になっても空気にはずっと夜明け際の菫色が微かに残っていて、長袖のシャツを一枚羽織るくらいではもう少しだけ肌寒くて……良…

レミング

日が暮れてから二駅離れた図書館に行く。ずっと探していた本があっさりと見つかって寂しくて嬉しい。都会の図書館は遅くまで開いていて嬉しい。それに土曜日の夜だというのに誰とも出掛けずに一人で本を読んでいる人間が大勢いて死ぬほど安心する。深夜にコ…

触媒

先週末、後生大事に貯め込んだ疲れと気持ちを癒そうとはるばるスパに行ったのに帰りの電車で咳と鼻水が止まらなくなって今に至る。 体中の全ての蛇口が馬鹿になってしまったみたい。そもそも自分が馬鹿みたい。 しかし、季節の変わり目に体調を崩すなんて、…

カムダウン毎日

目が覚めると背中と脇腹に謎の激痛。ちょうど、40~50kmで走る軽トラックの荷台から転げ落ちたのと同じくらいの痛み。痛みの原因は分かっている。単純に寝違えたのだ。それは分かっている。しかし我ながら何故あんな奇妙な体勢で眠っていたのか、それが謎な…

ねずみ色

人と話すことは素晴らしいな、全く。少なくともその間だけは顔だけは、笑っていられるものだからな。 何度でもそうしてくれと思いながらも、早く終わることを待ち侘びている。音楽の代わりに時間が流れていて砂時計の下。落ちてくる砂と吐き出した泥にいずれ…

最近買った本の中に真っ白な栞が挟まっていた。表にも裏にも何の印刷もない真っ白な栞。活字と活字を区切ることに特化した、完全に正しい栞。無機質ではあるがその佇まいには気品すら感じられる。しばらく呆然と眺めているうちに、自分はこの栞を手に入れる…

暗い部屋

朝、家を出たら肌寒くって自然と背筋が伸びてしまう昨日と今日の朝の寒さ。 この間までの猛暑が嘘みたいで、その寒暖差に爆笑する。 爆笑とは「大勢が大声でどっと笑うこと」という意味であって一人で大笑いした時に用いるのは誤用である。それは分かってい…

食べられる鮎

帰省。 小中時代の同級生に誘われて温泉に行く。軽く「風呂にいこう」と言われたものだから、てっきり昔よく一緒に行った近所のスーパー銭湯にでも行くのだろうと思っていたら、しっかり車で2時間半かけて山奥にある宿場町の温泉に連れて行かれてびっくりし…

4まで捨てる

よく晴れた土曜日、不随意に爽やかで優しい気持ちになる。太陽は変わらず存在感を放ち、遠くからあらかたを照らしていて実に心強い。土曜日の出勤が続いても、失うものなど何も無い。 朝。地下鉄のコンコースに、踏みつぶされ引き摺られたようにへばり付く茶…

Your song ends (with me)

七月の末日。人間は誰しも、疲れて歩く夜の路地裏で機嫌よく鼻歌を口ずさむ人に行き会って、お互い闇雲に気まずい気持ちになるという運命から決して逃れることが出来ない。それはこの世に生を授かったその瞬間から、予め自分にかけていた呪いだ。だから赤ん…

倒壊

いつも仕事の日は6時に起きて6時30分には家を出ている。昨晩は寝つきが悪く1時手前まで起きていて、今朝目を覚ましスマートフォンを見たら時計は50分の表示。慌てて跳ね起き無心で着替えて寝癖だけ梳かして飛び出すと、外は真っ暗な世界。これだけ世界が暗く…

シュバルツ・ハーツシュバルツ・ハーツ

2年前までファミリーマートがあった場所に、またファミリーマートが出来ている。帰ってきたファミリーマート。その不屈さやリベンジ精神や呪いみたいなものには、ただただ畏敬の念を禁じえなくて、頭が垂直にがつんと下がる思いで、今度こそずっと脈々と続け…

HOOK

今日も太陽が明朗に微笑んでいて、それを避けるように逃げるように、後ろめたい気持ちで目を伏せ地下鉄に向かう。早く太陽も自分で選べる時代が来るといい。 地下鉄の車内。途中の駅で、こちらが詰めれば詰める分だけ大股を開いて座席を侵略してくるタイプの…

わだかまる

本日も快晴、夏も盛りという感じ。文月。 吉野家のタコライス。値段の割にちゃんとタコライス。タコライスを食べるために一人で沖縄風居酒屋に行くのが少々悲しかったのでこれは嬉しい。 趣味としてだらだら続けていた制作を、最後にちゃんとしたものを作っ…

じめじめ

土曜日。日が傾ぐのを待って外出。雨が降って止んでいる。 本を3冊買って喫茶店。アイスコーヒーを頼んで、15分待つ。 別に差し迫った予定もないし、早くコーヒーを飲みたくて仕方なかったわけでもなくて、空調の効いた部屋でソファーに腰掛けて煙草でも吸い…

解像

少しだけ寝坊して飲まず食わずで飛び出していつもの電車に間に合ったものの乗り換え電車が遅延して結局遅刻する人生。 苛立ちと空腹が綺麗に相殺し限りなく透明な精神状態のまま、時間だけが流れる。 頭の中はずっと不織布の模様で、吐瀉物跨いで家に帰る週…

雨、のち曇り、のち雨。置き傘ばかり増えていく。 止んだと思って出掛けたらまたすぐ降ってくる現象なんだろう。 雨男とか雨女とか自称する人が嬉しそうなのなんでだろう。 自虐を交えた雨男雨女の名の取り合いや張り合いは不毛だから止めにしよう。 かくい…

三毒

日曜日、曇り。雨が降る一歩手前のような湿度で、快適とは言い難いが決して暑すぎない、悪くない天気。逡巡の末、本日をそれなりの悪くない気分で過ごすことに決める。 知人と誘い合ってラーメンを食べに出かけるが、目当てのラーメン屋に辿り着く前に、通り…