6、7月

6月は雨が多くて祝日が無いから本当に憂鬱だと思っていたけど、気が付いたらいつの間にか6月が終わっていてラッキー。 この調子で酷暑の夏もいつの間にか終わっていると尚良い。 時短営業でもテレワークでもないのに体が勝手に自粛太りめいてきたため、一…

一月

何をやっても上手くいかなかった季節が終わって、また季節がやってきた。 相変わらず、相変わらずもいいとこみたいな生活が続いて、名前が違うだけの全く同じものたちがいつでも時間と理性をすり潰していく。 世間は緊急事態宣言がどうとやらで、短縮営業に…

10月

何をやっても上手くいかなかった夏が終わってだしぬけに秋が訪れた。 どうしようもなく惨めだったこととか、引っ越しで面白かったこととか、色々整理して書こうと思っていたのにどれも下書きに保存すら出来なくて、なぜだか結局どうでもいいことしかいつも書…

七月

家に傘が10本くらいあったので1本だけ残して全部処分した。 天気予報を見ずに出掛けたり、折角持って出たのに電車に置き忘れたりして、月に何本も傘を買うような破滅的な生活はもう止めだ。と心に固く誓ったのだが、一ヵ月もしないうちにやらかす。 仕事帰り…

六月の

日記。 長くなりそうだからあとで書こうと思っていたら十ヵ月近く経っていた。 聞いてほしいことはたくさんあるのに上手く整理が出来ないまま積み重なって崩れて倒れて、なんとなく悲しい気持ちだけが構造的に生み出されていく。自分にとって重要だと感じた…

八月

夏。八月。 舌の下で溶かされていくような日々。ビルくらい高い太陽。保護されていない通信。 溶けきれなかったいびつな残滓をいくらかき集めたところで決して一つにはなれなくて、取り留めないまま蛇行しては自壊していく感傷が地を這いながら血を吐いてい…

4月

靖国通りの桜も見頃を過ぎて葉の緑が目立つようになってきた。本来癒しや生命力を象徴するはずの緑色が桜に混じると途端にグロテスクなもののように感じるのはなぜだろう。別に春なんて好きでもないのに。 ずっと吸ってきた煙草が生産中止になってこれを機に…

3月

何か言わないと死んでしまうと思った。 言ったところで何も変わらなかったけど。 Motorpsycho - Serpentine

2月

体感としてはサイコロ振る度に毎回「1回休み」のマスに止まってるような気分のまま毎週の6連勤を行って来いする違和感。俯いて歩いているうちに鈍く浮く太陽に頭ぶつかってしまっていた感情が鎌首を擡げる。深夜の東京。誰もいない歩道橋の上にだけうっす…

1230

先月のジャニスの閉店セールで電気街にやってきた中国人観光客くらい爆買いしてしまい、休日は積みCDを消化するばかりの毎日。 ところせましと並んだ知らない名前だらけの商品棚に郷愁を揺り起こされ、日を追うごとにその商品棚に空白が増えていく様子を目の…

9月

例年になく雨や台風が多い。 夜、新宿の方角で青や緑の光を放っている高いビル、何の建物か知らないけど雨の日はとても綺麗で、この間ふと思い立って光を頼りに歩いて見に行ってみたら都庁だった。 都庁向いの一段低くなった広場では、適度に間隔を空けて星…

7月

道端に短冊が落ちていた。 毎年、この時期になると近所の小学校の生徒たちが書いた大量の短冊が笹に吊られて街路を賑わすのだが、当然何週間も野ざらしのため雨や強風で落とされてしまう短冊もあるのだ。 覚束ない筆跡で書かれた「みんなで楽しくくらせます…

その他の悪霊

最近読んで面白かった本 愛その他の悪霊について / G・ガルシア=マルケス 侯爵家の令嬢として生まれながらも親からの愛情を受けることなく育ち、屋敷の外で黒人奴隷達と共に暮らしていたシエルバ・マリアは12歳の誕生日に狂犬病に罹った野良犬に噛まれてしま…

神田

4月。いきなり20℃を超える暑さになったかと思えばすぐにまた肌寒く強い風が吹く日もあって、相変わらず気候に翻弄される毎日。外を出歩けばTシャツ一枚の人もいて厚手のオーバーコートの人もいて、この季節何を着て出ればよいものか非常に判断に困る。我々は…

3月

午前休して病院に行く。 元々貧血気味で採血が非常に苦手だ。病院出てからしんどくなってたら世話無い。 平日の午前中だというのに人人人でごった返す病院近くの繁華街。行き交う人を躱して歩く、急ぎ足では汗ばむほどの春の陽気。照り返し、多い体温。ふら…

博物

博物蒐集家の応接間に行ってきた。 書店の8階、イベントスペースに所狭しと陳列された用途不明の器具や怪しげなオブジェに非常に胸が高鳴った。まるで稲垣足穂の短編の世界に足を踏み入れたような感覚。薄明りと埃の匂い。 購入したいものは山ほどあったのだ…

日々の泡

早春は三寒四温とはいうが、いくらなんでもな近頃の寒暖差。気候は連続性を失い、霧深い日々の中腹で彷徨った挙句に座り込んでしまった。連日の雨と強風で、一晩過ぎればもう自分の足跡さえ確認出来ない今日この頃。行く宛と帰り道。どちらを探して歩いてい…

0216

先月読んで面白かった本 ・図書館島 ソフィア・サマタ― 「わたしの物語を書いて」と死せる天使は言った。 文字を持たぬ辺境に生まれた青年は、世界中の書物を収めた島に幽閉される。 帯に書かれた概要だけで既に面白い。青年が文字を知り書物を知り記すこと…

0212

二月も中旬。 年が明けてからのこの一か月と少し、珍しく身の回りで色々あって思うこともそれなりにあって、そういったあれやこれやを書き留めておいて後々しっかり整理しようと、そう考えていたはずなのに、ある程度時間が経ってしまえばなんだか全部どうで…

2018

職場にと買って帰ってきたお土産を、鞄の中で一週間眠らせたまま、持って帰って家で一人で食べている。 一月ももう中盤。新年の気分なんてとっくに失われてしまったけれど、まだまだ寒さはこれからで、空気がどんどん透明になっていって、じりじりと真空に近…

1224

奇跡的な寒さ。 この間ようやく秋が来たと思ったらもはやすっかり冬で、だからどうというわけでもなく、続ける言葉も何もなく、粛々と受け入れるばかりの日々、貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。(時候の挨拶) 久しぶりに日記を書こうと思い立った…

1204

電車で本を読んでいたら見慣れないカタカナ語が出てきて、ポケットからスマートフォンを取り出して検索してみるとwikipediaに飛ぶまでもなく検索結果1ページ目でそれが海外の地名であることや、その地の天気や時間、催される主なコンサートの予定までが分か…

1105

秋のみぎり。空は深く濁っていてその昔、混ざりきれなかった絵具とか溶かしきれずに崩れて沈んだ砂糖のような言葉とかきっと様々な情景が思い出されます。 渡世の寒さに塞ぎ込み、殻に閉じこもりきりだったこの数週。ここにきて痛切に切実に運動の必要性を感…

1025

死にながら朝起きて死にながら満員電車して死にながら働いて死にながら満員電車して死にながら日記を書いている。死にながらなのに偉い。 別に週六勤務でも毎日残業でもいいんだが毎度「そんな掛からないと思うけどあとよろしく」みたいに予め費やす時間や労…

1009

十月。遂にようやく肉体性に支配された夏が終わり、人も街もすっかり秋めいて、何でもかんでも煌めいて謎めいて見えるあんばい。 夜になっても空気にはずっと夜明け際の菫色が微かに残っていて、長袖のシャツを一枚羽織るくらいではもう少しだけ肌寒くて……良…

レミング

日が暮れてから二駅離れた図書館に行く。ずっと探していた本があっさりと見つかって寂しくて嬉しい。都会の図書館は遅くまで開いていて嬉しい。それに土曜日の夜だというのに誰とも出掛けずに一人で本を読んでいる人間が大勢いて死ぬほど安心する。深夜にコ…

触媒

先週末、後生大事に貯め込んだ疲れと気持ちを癒そうとはるばるスパに行ったのに帰りの電車で咳と鼻水が止まらなくなって今に至る。 体中の全ての蛇口が馬鹿になってしまったみたい。そもそも自分が馬鹿みたい。 しかし、季節の変わり目に体調を崩すなんて、…

カムダウン毎日

目が覚めると背中と脇腹に謎の激痛。ちょうど、40~50kmで走る軽トラックの荷台から転げ落ちたのと同じくらいの痛み。痛みの原因は分かっている。単純に寝違えたのだ。それは分かっている。しかし我ながら何故あんな奇妙な体勢で眠っていたのか、それが謎な…

ねずみ色

人と話すことは素晴らしいな、全く。少なくともその間だけは顔だけは、笑っていられるものだからな。 何度でもそうしてくれと思いながらも、早く終わることを待ち侘びている。音楽の代わりに時間が流れていて砂時計の下。落ちてくる砂と吐き出した泥にいずれ…

最近買った本の中に真っ白な栞が挟まっていた。表にも裏にも何の印刷もない真っ白な栞。活字と活字を区切ることに特化した、完全に正しい栞。無機質ではあるがその佇まいには気品すら感じられる。しばらく呆然と眺めているうちに、自分はこの栞を手に入れる…