暗い部屋

 朝、家を出たら肌寒くって自然と背筋が伸びてしまう昨日と今日の朝の寒さ。 この間までの猛暑が嘘みたいで、その寒暖差に爆笑する。

爆笑とは「大勢が大声でどっと笑うこと」という意味であって一人で大笑いした時に用いるのは誤用である。それは分かっているのだけれど、語感の良さと、別に通じないことないだろうという甘えからついつい使ってしまいがちだ。察しろよ、なんて、他人の寛容さを当てにしてしまった。ふしだらで空しい。日中はまだ少し暑い。

誤用でいえば、「カメラオブスキュラ」という言葉。ギリシア神話に出てくるスキュラ(本人の与り知らぬところで勝手に恋仇にされて、毒薬によっていきなり下半身を6つの犬の頭と12本の犬の足と魚の尾を持つ姿へと変えられた悲惨過ぎるあの女)のカメラ、「カメラ・オブ・スキュラ」だと思っていた。よく分からないが何かしらポエジーでもの悲しいカメラなのであろうと。しかし実際は「暗い部屋」を意味する「カメラ・オブスキュラ」で、大昔のピンホールカメラみたいなものらしい。長らく勘違いしていたが、今まで誰かと「カメラオブスキュラ」について話す機会もなかったので恥をかかずに済んだのだった。けれど正しい意味を知ったからと言って、この先の我が人生で「カメラオブスキュラ」という言葉を口にする見通しは、暗い。夜になるとまた寒い。

 

 

 

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この胡散臭さと祝祭感。

The Flaming Lips、学生の時『Yoshimi Battles the Pink Robots』を買ったのが初めてで、そこからすっかり好きになってしまった。同名のリード曲は「空手黒帯の女性・ヨシミが街を守るために人を食べるロボットと戦う」という意味不明な世界観で、十代の少年を歪めるには充分な握力。ボーナストラックには下手くそな日本語でたどたどしく歌っているヴァージョンも収録されていて微笑ましいの味しかしない。

たまに、日本人が英語のTシャツを着たり歌詞に英語を入れたりすると「本場の人から見たら恥ずかしい」と言う人もいるけれど、こんな感じに微笑ましいなら悪くはないなと思ってしまう。

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これは英語版。