日々の泡

早春は三寒四温とはいうが、いくらなんでもな近頃の寒暖差。気候は連続性を失い、霧深い日々の中腹で彷徨った挙句に座り込んでしまった。連日の雨と強風で、一晩過ぎればもう自分の足跡さえ確認出来ない今日この頃。行く宛と帰り道。どちらを探して歩いていたのか。二兎を追う者は一兎をも得ず。喉元過ぎれば熱さを忘れる。実感としてそれがある。

駅の階段で前を上る老人の傘に胸を突かれて痛いというより悲しい。 

3日連続再配達の受け取りに失敗して悲しいし胸が痛い。

先月読んだ本について感想を書いていたら2週間かかっても全くまとまらない上に無駄に長くて気持ち悪いので、全てなかったことに。しばらく文章を書かないでいるとすぐに書き方を見失う。このままでは恐らくそのうち自分の名前すら書けなくなってしまうだろう。定期的に何か書かないと駄目だ。連続性を得よ。

もう数週間前のことだが、久しぶりに演劇を観に行った。今はもうまともな感想も書けないが、生きている力に溢れた舞台だった。ストーリーはよく分からなかったけれど、しっかり面白かった。よく分からないものを作るのは楽しいけれど簡単で、面白いものを作るの大変だけれど楽しいから、きっと作った人たちは途轍もなく楽しかったに違いない。やはり定期的に何か観に行かないと駄目だ。また行きたい。

 

書いてみればあっけなく短い文章で、それでもいつの間にかとっくに日付が変わっていて動揺する。 

 

 

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「日々の泡」もしくは「うたかたの日々」というタイトルの曲は一体世界中にどれくらいあるんだろうか。これだけ同名の曲が多いのは9割9分ボリス・ヴィアンの小説の影響だと思うのだが、なぜこのタイトルだけがこれほどまでに広く愛されているのか。勿論実際に素晴らしい小説だし、かくいう自分も十代の時分には10回は読み返したのだけれど、名作小説が曲名になるなら他にも同じくらい使われているタイトルがあってもいいのではないか。それとも知らないだけで「ホテル・ニューハンプシャー」とか「母なる夜」とかのタイトルがついた曲も実はたくさんあるんだろうか。なんにせよ、このタイトルがついた曲は殆どの場合普通に、いい曲ですね。