4まで捨てる

よく晴れた土曜日、不随意に爽やかで優しい気持ちになる。太陽は変わらず存在感を放ち、遠くからあらかたを照らしていて実に心強い。土曜日の出勤が続いても、失うものなど何も無い。

朝。地下鉄のコンコースに、踏みつぶされ引き摺られたようにへばり付く茶色い半固形物。雨に濡れた病葉のように横たわるそれを、人々は気にも留めず足早に通り過ぎていく。都市の幻想と怪奇。土曜日の早朝に地下鉄のコンコースで、誰かがカレーをこぼすこと、誰かがうんこをもらすこと。蓋然性が高いのはどちらだろうか?人間、答えが欲しくない時に限って大袈裟な問い立てをしてしまうのは、なぜだろうね。

 電車から降りると、今にも雨が降りそうな気配。気配だけ。

夕暮れ。仕事終わり。立ち上がる瞬間、視界が四隅から白とびしていく。たちくらみの季節。良い気分も悪い気分もあっさり薄くなっていく。蝉のなきがら。猥雑な周辺環境。我慢しているつもりだけど面倒くさがっているだけだっだりして、結局、四捨五入すれば0になる感情。5が欲しい。5が欲しい。

 

 

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we wished for heaven it now only seems like torture