暗い部屋

朝、家を出たら肌寒くって自然と背筋が伸びてしまう昨日と今日の朝の寒さ。 この間までの猛暑が嘘みたいで、その寒暖差に爆笑する。 爆笑とは「大勢が大声でどっと笑うこと」という意味であって一人で大笑いした時に用いるのは誤用である。それは分かってい…

食べられる鮎

帰省。 小中時代の同級生に誘われて温泉に行く。軽く「風呂にいこう」と言われたものだから、てっきり昔よく一緒に行った近所のスーパー銭湯にでも行くのだろうと思っていたら、しっかり車で2時間半かけて山奥にある宿場町の温泉に連れて行かれてびっくりし…

4まで捨てる

よく晴れた土曜日、不随意に爽やかで優しい気持ちになる。太陽は変わらず存在感を放ち、遠くからあらかたを照らしていて実に心強い。土曜日の出勤が続いても、失うものなど何も無い。 朝。地下鉄のコンコースに、踏みつぶされ引き摺られたようにへばり付く茶…

倒壊

いつも仕事の日は6時に起きて6時30分には家を出ている。昨晩は寝つきが悪く1時手前まで起きていて、今朝目を覚ましスマートフォンを見たら時計は50分の表示。慌てて跳ね起き無心で着替えて寝癖だけ梳かして飛び出すと、外は真っ暗な世界。これだけ世界が暗く…

シュバルツ・ハーツシュバルツ・ハーツ

2年前までファミリーマートがあった場所に、またファミリーマートが出来ている。帰ってきたファミリーマート。その不屈さやリベンジ精神や呪いみたいなものには、ただただ畏敬の念を禁じえなくて、頭が垂直にがつんと下がる思いで、今度こそずっと脈々と続け…

HOOK

今日も太陽が明朗に微笑んでいて、それを避けるように逃げるように、後ろめたい気持ちで目を伏せ地下鉄に向かう。早く太陽も自分で選べる時代が来るといい。 地下鉄の車内。途中の駅で、こちらが詰めれば詰める分だけ大股を開いて座席を侵略してくるタイプの…

わだかまる

本日も快晴、夏も盛りという感じ。文月。 吉野家のタコライス。値段の割にちゃんとタコライス。タコライスを食べるために一人で沖縄風居酒屋に行くのが少々悲しかったのでこれは嬉しい。 趣味としてだらだら続けていた制作を、最後にちゃんとしたものを作っ…

じめじめ

土曜日。日が傾ぐのを待って外出。雨が降って止んでいる。 本を3冊買って喫茶店。アイスコーヒーを頼んで、15分待つ。 別に差し迫った予定もないし、早くコーヒーを飲みたくて仕方なかったわけでもなくて、空調の効いた部屋でソファーに腰掛けて煙草でも吸い…

解像

少しだけ寝坊して飲まず食わずで飛び出していつもの電車に間に合ったものの乗り換え電車が遅延して結局遅刻する人生。 苛立ちと空腹が綺麗に相殺し限りなく透明な精神状態のまま、時間だけが流れる。 頭の中はずっと不織布の模様で、吐瀉物跨いで家に帰る週…

雨、のち曇り、のち雨。置き傘ばかり増えていく。 止んだと思って出掛けたらまたすぐ降ってくる現象なんだろう。 雨男とか雨女とか自称する人が嬉しそうなのなんでだろう。 自虐を交えた雨男雨女の名の取り合いや張り合いは不毛だから止めにしよう。 かくい…

三毒

日曜日、曇り。雨が降る一歩手前のような湿度で、快適とは言い難いが決して暑すぎない、悪くない天気。逡巡の末、本日をそれなりの悪くない気分で過ごすことに決める。 知人と誘い合ってラーメンを食べに出かけるが、目当てのラーメン屋に辿り着く前に、通り…

デンデレラ

一週間書かなかっただけでもう文章の書き方を忘れている。 こまめに日記をつけるようにしたいのだが、如何せん無い袖は振れない。取り立てて書き留めることのない平坦な日々を過ごしてきたツケだ。 せめて最近色々買った本やCDについて何かしらの感想を書こ…

他人の帰り道

数少ない友人の引っ越しを手伝う。と言っても荷物の搬出や搬入は業者に頼んでいるので、手伝うのは搬入後の荷解きや家具の配置くらいだ。 あっさりと。滞りなく搬出が終わって、部屋の鍵を閉め駅まで歩く道すがら「この道を歩けるのはこれで最後だ」とか「あ…

水に眠る

日曜日、今日も快晴。無神経な日差し。歩く影がアスファルトに焦げつく。 遮蔽物の少ない大通りを避け路地を歩く。脇にある公園、タクシードライバーが煙草を吸っている。 子供の頃読んだ北村薫の短編で、夏のとても暑い日の中でとある男女がコンビニかどこ…

サマーエンド

ほかほかごはんの陽気。ふりかけの気分。ほぐされ混ぜられてゆっくりと希薄になっていく自我。 www.youtube.com このような反復

憂鬱だと涼しい

天気雨。狐や悪魔の結婚式。雨の中待たされて合流する頃にはすっかり止んでいる。 いつもより少しだけ早い時間に帰れたら、電車はいつもより少しだけ混んでいる。ドアガラスに項垂れかかる人をそのままに景色だけが動いて、太陽が尾翼を損傷したみたいに水平…

Androgynous

イヤフォンとヘッドフォンが同時に壊れて買いに行く。夜なのに空が白い。 毎日薄靄がかかったような、幻術にかけられいるような、現実感に乏しい日々。 しかし思い返してみると、ただ食べて寝て起きて仕事だけの生活。その日の気温と空の模様に一喜一憂。以…

孤立した場所、相撲のための音楽機械

題名のない相撲に寄り添う音楽会 - 梨の礫の続き。

題名のない相撲に寄り添う音楽会

昨夜、日記に4つ動画を載せたのだが、それを全部まとめて再生してみるととても胸がすくことに気付いた。FLAMINGLIPSのZaireekaみたいに同時再生用に設計された音源なわけではないし、BPMもKeyも合ってないし音楽としては最低なのだが、その最低さが心地好い…

東京の若いバンド長回しで夜の街を徘徊しがち

この季節昼は暑いけど夜は涼しくて肌寒いくらいで風呂上りフラット最寄りのコンビニまで行くつもりがついつい2、3駅分くらい歩いてしまって絶句する。 www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com いうほど若くなかった

夕映え

空は曼荼羅。夏になってもこれくらいの気温ならばいいのに。 電車に乗っている人は皆死んだ目で毅然とした態度。 今日は珍しく冷蔵庫に肉が入っている。固く冷たい扉を開くとそこに未調理の肉が見える。生々しく赤く頼りなく柔らかな剥き出しの肉。 肉を内包…

Largo

ストレスとのバトルは全戦全敗。胸の内側が滝になって、インナーチャイルドは憤死。その下で育つ隠花植物。緩やかに。 出来るだけ多くの影を踏んで歩くのは、呪いなんかじゃなくて日差しが苦手だから。 朝。通勤電車、隣に吊り革に掴まりながら片手で鼻をほ…