八月

夏。八月。

舌の下で溶かされていくような日々。ビルくらい高い太陽。保護されていない通信

溶けきれなかったいびつな残滓をいくらかき集めたところで決して一つにはなれなくて、取り留めないまま蛇行しては自壊していく感傷が地を這いながら血を吐いているから文章は自らの意志でその意味を失い、元からそうであったかのように石くれみたいに横たわっている。燃焼することなく融解した葛藤が気化して、明確な輪郭を描かずに充満する倦怠が鈍く低い断続音を響かせ身体に執拗に示唆するその暗号を寝る間を惜しんで解明してみれば「どうかご自愛ください」。脳細胞が死んでる。

情けなくて苛ついた夜に、ただ懐かしい相手から電話が掛かってきたみたいなそういうあれで、たまに自分の人生が再生の物語だと思うこともあるけれど、何回思えば気が済むの。どのツラを下げて。

 

 

 


翼もください/ヤマトパンクス from PK shampoo